不眠
不眠とは?不眠とは?
不眠とは、**眠りにつきにくい(入眠困難)、途中で目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)、眠りが浅い・熟睡感がない(熟眠障害)**といった睡眠の問題が続き、日中の倦怠感、集中力低下、気分の落ち込みなどにつながる状態を指します。
一時的なストレスや環境の変化によって起こることもありますが、症状が長引く場合には身体的・精神的疾患や薬剤、生活習慣が関与している可能性があります。
よくある原因疾患
心身のストレス・精神的要因
ストレス・不安・うつ病
職場や家庭でのストレス、悩みごと、不安などが原因で眠れない、何度も目が覚める、朝早く目が覚めるといった不眠が生じます。
うつ病では、気分の落ち込み、興味の喪失、集中力低下などを伴うことが多く、注意が必要です。
自律神経の乱れ
不規則な生活や緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、夜間に眠りにくい状態となります。
身体的疾患による不眠
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
いびきや無呼吸、日中の強い眠気、夜間の頻回な覚醒を伴います。
肥満や首周りの太さ、鼻づまりなどが関係し、当院でも積極的に診療しています。
慢性疼痛・かゆみ・頻尿など
関節リウマチ、腰痛、皮膚疾患、前立腺肥大症などによる夜間の不快感や痛み、頻尿が原因で睡眠が妨げられることがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
代謝が過剰になることで、動悸・発汗・イライラ・不眠などが出現します。
当院では甲状腺疾患の評価・治療も行っています。
心不全・呼吸器疾患
咳、息切れ、呼吸困難が夜間に悪化することで、睡眠が中断されることがあります。
薬剤・嗜好品による不眠
- 降圧薬、ステロイド、抗うつ薬、利尿薬、カフェイン、アルコール、ニコチンなどが不眠の原因となることがあります。
- 特に高齢者では複数の薬を服用していることが多く、薬剤性の不眠に注意が必要です。
加齢や生活習慣の影響
- 高齢になると深い睡眠が減り、眠りが浅くなる・早朝に目が覚める傾向が見られます。
- 運動不足、昼寝のしすぎ、就寝前のスマホやテレビも、睡眠の質を悪化させる要因です。
診断の進め方
不眠の診断では、眠れない症状の種類と持続期間、原因(思い当たる出来事、身体不調)、日中の眠気や倦怠感、生活リズム、食習慣、カフェイン摂取、昼寝、既往歴(うつ病、睡眠時無呼吸症候群〔SAS〕、甲状腺疾患)、内服薬やサプリメントの使用状況を確認します。
身体診察では呼吸音、心音、頸部(甲状腺)の腫脹、血圧、脈拍、体温を評価し、必要に応じ全身診察を行います。
当院では血液検査(甲状腺機能、肝腎機能、貧血、血糖)、終夜睡眠ポリグラフ検査(SAS診断)、心電図・心エコー(不整脈、心不全評価)、呼吸機能・呼気NO検査(呼吸器疾患鑑別)、血圧脈波検査(ABI・CAVI、動脈硬化評価)を実施します。
一方、脳波検査・頭部MRI、精神科的精査などが必要な場合は、睡眠専門外来や精神科を有する基幹病院へ紹介します。
以下のような場合は、うつ病、重度の睡眠時無呼吸症候群、神経疾患など命に関わる疾患の可能性があり、ただちに地域の基幹病院への受診することをお勧めします。
- 不眠に加えて意欲低下や自殺念慮、幻覚などがある
- 日中に強い眠気があり、居眠り運転など危険な行動がある
- いびきが大きく、無呼吸や呼吸停止を指摘されている
- 急激に眠れなくなり、体重減少や動悸を伴っている
不眠は誰にでも起こりうる身近な症状ですが、長引く場合は生活の質を著しく下げ、身体や心の健康にも悪影響を及ぼします。
症状が重い場合は直ちに地域の基幹病院へ受診することをお勧めしますが、そこまで重くない場合や、慢性的な不眠にお悩みの方は当院でも診療可能です。
生活習慣の見直しや、必要に応じた検査・治療をご提案いたします。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
