動悸
動悸とは?
動悸とは、「自分の心臓の拍動を異常に強く、速く、あるいは不規則に感じる状態」を指します。
「ドキドキする」「バクバクする」「胸が高鳴る」「脈が飛ぶ感じがする」など、その感じ方は人によってさまざまです。
一時的な緊張や運動後、カフェイン摂取時などでも起こることがありますが、心臓やホルモン、精神的な要因などが関係している場合もあり、注意が必要です。
よくある原因疾患
不整脈(期外収縮、心房細動、上室性頻拍、心室性頻拍など)
不整脈は、心臓の電気信号の異常により脈が乱れる状態です。
突然始まり突然止まる動悸や、脈が飛ぶ感じ、不規則に打つといった症状が見られます。
中でも心房細動は高齢者に多く、脳梗塞の原因になることもあります。
貧血
酸素を運ぶ赤血球が不足していると、身体が酸素不足を補おうとして心拍数が増え、動悸が出現します。
特に階段や坂道での息切れとともに感じられることがあります。
甲状腺疾患(バセドウ病など)
甲状腺ホルモンの過剰によって代謝が亢進し、頻脈や動悸、手の震え、体重減少などが見られます。
バセドウ病は比較的若年女性に多い傾向があります。
心不全
心臓のポンプ機能が低下すると、動悸とともに息切れやむくみ、疲れやすさなどが現れます。
症状が進行すると安静時にも動悸を感じることがあります。
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心筋への血流が低下することで、動悸や胸部圧迫感、息切れ、冷汗を伴うことがあります。
特に動悸と胸痛が同時に現れる場合は注意が必要です。
精神的要因(パニック障害、不安障害など)
緊張やストレス、過換気などにより一過性の動悸を感じることがあります。
特にパニック障害では、強い動悸とともに呼吸困難、胸痛、めまいなどを伴うことがあります。
薬剤・カフェイン・アルコール
一部の薬剤(気管支拡張薬、甲状腺ホルモン製剤、抗うつ薬など)や、コーヒー、エナジードリンク、過度な飲酒なども動悸の原因となることがあります。
診断の進め方
動悸の診断では、まず医療面接で発症状況(いつ、どのように始まったか、持続時間)、動悸の性状(速さ、不規則性)、随伴症状(胸痛、息切れ、めまい、失神)、既往歴や服薬歴を確認します。
身体診察では脈拍・血圧、心音の異常、甲状腺腫大、皮膚の発汗を観察します。
当院では心電図で不整脈や虚血の有無を確認し、24時間ホルター心電図で一過性不整脈を捉えます。
心エコーで弁膜症や心不全を評価し、血液検査では貧血、甲状腺機能、電解質、BNPを確認します。
血圧脈波検査(ABI・CAVI)で動脈硬化の評価も可能です。
一方、心臓MRIや電気生理学的検査(EPS)などの高度検査が必要な場合は、地域の基幹病院や専門医療機関へご紹介いたします。
緊急性の判断と対応
以下のような場合は、心筋梗塞、重篤な不整脈、心不全、肺血栓塞栓症などの命に関わる疾患の可能性があり、ただちに地域の基幹病院への受診することをお勧めします。
- 動悸とともに強い胸痛や圧迫感がある
- 動悸に加え、息切れ・冷汗・吐き気・めまい・失神を伴う
- 既往に心臓病や不整脈がある
- 数分以上続く激しい動悸が突然始まり、止まらない
- 心拍が非常に速い(1分間に150回以上)または極端に遅い(40回以下)
当院では緊急性の高い症状が疑われる場合、ただちに地域の基幹病院と連携し、迅速な対応を行っています。
動悸は一時的で心配のないものから、重大な心臓疾患のサインであることもあります。
症状が重い場合は直ちに地域の基幹病院へ受診することをお勧めしますが、そこまで重くない場合や繰り返す軽い動悸については、当院でも診療が可能です。
当院では、心電図、心エコー、血液検査などを用いて、原因の見極めと適切な治療方針の提案を行っています。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
