心臓弁膜症
心臓弁膜症とは?
心臓弁膜症とは、心臓の中で血液の一方向への流れをコントロールしている「弁」が正常に開閉できなくなり、血液の逆流や通過障害が生じる病気です。
主なものに「大動脈弁狭窄症」や「僧帽弁閉鎖不全症」などがあります。
原因
心臓弁膜症の原因には、以下のようなものがあります。
- 先天的な弁の異常
- 加齢に伴う弁の変性(変性性弁膜症)
- 高血圧や動脈硬化の影響
- リウマチ熱による後遺症(現在では稀)
特に近年は加齢が大きな要因とされており、65歳以上の約10人に1人が何らかの弁膜症を有していると報告されています。
症状
初期の心臓弁膜症では多くの場合、明確な自覚症状がありません。しかし病状が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 息切れ(特に運動時)
- 動悸
- めまい・失神
- 胸の痛み
- 足のむくみ(浮腫)
さらに進行すると、心不全や不整脈、突然死といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。
診断
診断には、以下のような検査を組み合わせて行います。
- 聴診(心雑音の有無)
- 心電図
- 胸部レントゲン
- 心エコー検査(弁の動き・逆流・狭窄の評価)
- 必要に応じて心臓CTや心臓カテーテル検査
心臓エコーが最も重要な検査であり、弁の状態や心臓全体への影響を正確に評価することができます。
治療
心臓弁膜症の治療は、病状の重症度や進行度に応じて選択されます。
弁膜症と診断された場合でも、すぐに手術が必要になるとは限りません。
心エコーの所見や症状の有無をもとに、まずは定期的な経過観察が行われることが多く、数~十数年にわたる観察の中で、手術のベストタイミングを見極めることがとても重要です。
- 薬物療法:利尿薬などで症状の緩和を図ります。
- 外科的手術:弁形成術や弁置換術により、弁の機能を修復または交換します。
- カテーテル治療(TAVIなど):近年では高齢者や開胸手術が難しい方にも適用されるようになり、安全性と有効性が向上しています。
治療が必要と判断された場合には、患者さま一人ひとりに合った適切なタイミングで、地域の基幹病院へのご紹介を行い、連携した治療体制を整えています。
心臓弁膜症は、初期に気づきにくい一方で、放置すると重篤な結果を招く疾患です。
しかし、近年の診断技術や治療法の進歩により、早期発見・適切な管理により良好な予後が期待できます。
当院では、心臓エコーや負荷心電図などの検査設備を備え、循環器専門医による診療を行っております。
ご不安な症状がある方、定期的な心臓のチェックをご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
