息切れ・呼吸困難
息切れ・呼吸困難とは?
「階段を上ると息が切れる」「以前よりすぐに息が上がる」「少し動いただけで息苦しい」「何もしていないのに息がつまるような感じがする」──このような息切れや呼吸困難は、加齢や運動不足でも起こりますが、重大な心臓や肺の病気が隠れていることもあります。
特に、急に発症した息苦しさや、横になると悪化する息切れ、安静時にも呼吸が苦しいといった症状がある場合は、緊急性の高い病気の可能性があるため、早急な対応が必要です。
よくある原因疾患
肺気腫・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
長年の喫煙や大気汚染の影響で、肺の構造が壊れ、慢性的な息切れ、咳、痰が出現します。
進行するとわずかな動作でも呼吸困難となります。
間質性肺疾患
肺の組織が硬くなり、深呼吸がしづらく、徐々に進行する呼吸困難を伴います。
乾いた咳や労作時の低酸素血症を伴うことが多く、早期診断が重要です。
気管支喘息・咳喘息
気道が過敏になって炎症を起こし、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴や呼吸困難が出現します。
夜間・早朝に悪化することが多く、小児だけでなく成人でも発症します。
心不全
心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送れなくなり、息切れやむくみ、倦怠感、夜間の呼吸困難などが現れます。
重症化すると安静時でも息苦しくなります。
当院では心不全の診療に力を入れています。
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心筋への血流が不足することで、胸の痛みや圧迫感、労作時の息切れが出現します。
動悸や冷や汗を伴う場合もあり、特に糖尿病のある方では痛みの少ない「無痛性心筋虚血」にも注意が必要です。
不整脈
心拍が不規則になることで、全身への血流が不安定になり、動悸、めまい、息切れ、失神などを引き起こすことがあります。
心臓弁膜症
心臓内の弁に異常があると、血液の逆流や流れにくさが生じ、労作時の息切れやむくみ、動悸などがみられます。
心雑音が聴取されることが多く、心エコー検査が診断に有用です。
貧血
赤血球の不足により酸素の運搬能力が低下し、労作時の息切れ、動悸、疲労感が出現します。
特に高齢者や女性に多くみられます。
肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群など)
肺の血管に血の塊(血栓)が詰まることで、突然の呼吸困難や胸痛が出現します。
長時間の座位や手術後などが誘因になることがあります。
診断の進め方
息切れ・呼吸困難の診断では、開始時期、急性か慢性か、発生タイミング(運動時、安静時、夜間)、併存症状(咳、痰、胸痛、動悸、むくみ、発熱、体重減少)、喫煙歴、心臓病・肺疾患・貧血の既往、服薬歴を確認します。
身体診察では心雑音・肺雑音、四肢のむくみ、チアノーゼなど皮膚色を評価します。
当院では心電図・ホルター心電図、胸部レントゲン・CT、心エコー、呼吸機能検査、血液検査(貧血、BNP、炎症、感染症、腎・肝機能)、呼気NO検査、血圧脈波検査(ABI・CAVI)、運動負荷心電図(エルゴメーター)を実施します。
一方、MRI、心臓カテーテル検査、気管支内視鏡検査が必要な場合は、地域の基幹病院へ紹介します。
緊急性の判断と対応
以下のような場合は、心筋梗塞、急性心不全、肺塞栓、重症喘息発作など命に関わる疾患の可能性があり、ただちに地域の基幹病院への受診することをお勧めします。
- 突然の強い呼吸困難や胸痛を伴う
- 会話も難しいほどの息苦しさがある
- 顔色が悪く、冷汗や意識のもうろうがある
- 横になると息が苦しくなる(起坐呼吸)
- 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)や痰のからみがひどい
息切れや呼吸困難は、単なる体力低下ではなく、心臓や肺の異常が原因となっていることが少なくありません。
症状が重い場合は直ちに地域の基幹病院へ受診することをお勧めしますが、そこまで重くない場合や、徐々に悪化する息切れであれば当院でも診療が可能です。
当院では、心電図、心エコー、呼吸機能検査、胸部CT、血液検査などを駆使し、症状の原因を的確に評価します。
「最近息が上がりやすい」「今までより運動がつらい」と感じる方は、是非ご相談ください。
