蛋白尿・血尿
蛋白尿・血尿とは?
蛋白尿・血尿とは、尿に本来ほとんど含まれないはずの蛋白や血液成分が混じって排出される状態です。
通常、健康な腎臓では、血液中の蛋白質や赤血球は尿に漏れ出ることはほとんどありません。
そのため、これらの所見は腎臓の機能に何らかの異常があることを示している可能性があり、たとえ自覚症状がなくても見過ごさずに評価することが大切です。
蛋白尿・血尿が認められる場合、考えられる原因は大きく分けて腎臓の疾患と泌尿器系の疾患の2つがあります。
よくある原因疾患
腎臓の疾患
- 慢性腎臓病(CKD)
高血圧や糖尿病、加齢などを背景に徐々に進行する腎臓病で、早期には自覚症状がほとんどありません。蛋白尿が最も早期に見られる兆候の一つです。 - 高血圧性腎硬化症
長期間の高血圧により腎臓の血管が障害され、腎機能が徐々に低下します。蛋白尿が進行のサインとなります。 - 糖尿病性腎臓病
糖尿病の合併症の一つで、腎臓の糸球体が障害されることにより、初期には微量の蛋白尿が、進行とともに明らかな蛋白尿へと変化します。当院ではこの疾患の診療にも力を入れています。 - 糸球体腎炎
腎臓の糸球体に炎症が起きる病気で、血尿・蛋白尿の両方が見られることが多いです。急性型・慢性型があり、発熱やむくみ、血圧上昇を伴うこともあります。 - ネフローゼ症候群
大量の蛋白尿とむくみが特徴の疾患で、血中の蛋白濃度が低下します。重症例では入院加療が必要となることがあります。
泌尿器の疾患
- 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎など)
血尿に加え、排尿時の痛みや頻尿、発熱を伴うことがあります。 - 尿管結石
血尿の原因として頻度が高く、激しい側腹部痛を伴うことがあります。 - 膀胱がん・腎がん
特に高齢者の無症候性血尿(症状のない血尿)の場合には、これらの悪性疾患の可能性も考慮する必要があります。
診断の進め方
蛋白尿・血尿を指摘された場合、腎臓由来か泌尿器由来かを見極めることが診断の第一歩です。
問診では腰痛、むくみ、血圧上昇、発熱、排尿時痛の有無、既往歴(高血圧、糖尿病、尿路結石、腎疾患)、薬剤使用状況、家族歴を確認します。
身体診察では血圧、浮腫、腰部叩打痛の有無を評価します。
当院では尿検査(試験紙、沈渣、顕微鏡検査)、血液検査(腎機能、電解質、炎症反応、血糖・HbA1c)、腹部・腎臓エコー(構造異常、結石、腫瘍評価)、必要に応じて腹部CT(尿路結石、腫瘍、炎症評価)を実施します。
一方、腎生検(糸球体腎炎、ネフローゼ症候群評価)、膀胱鏡検査・尿細胞診(泌尿器がん精査)が必要な場合は、連携する基幹病院へ紹介します。
蛋白尿・血尿は、ネフローゼ症候群や糸球体腎炎などの腎臓疾患、あるいは尿管結石や膀胱がんといった泌尿器疾患を示唆する可能性がある重要な所見です。
症状がない場合でも、精密検査によって原因を明らかにし、必要な対策をとることが将来の腎機能低下や重篤な病気の予防につながります。
当院では、腎臓病のうち高血圧性腎硬化症や糖尿病性腎臓病といった慢性腎臓病の診療に重点を置いており、蛋白尿・血尿がそれらの初期兆候であるかどうかを評価しています。
また、糸球体腎炎やネフローゼ症候群など、その他の腎疾患の可能性についても初期診断を行い、必要に応じて地域の基幹病院へ適切にご紹介しています。
健診などで尿の異常を指摘された方や、腎臓の健康にご不安のある方は、どうぞ当院にご相談ください。
