血尿
血尿とは?
血尿とは、尿に血液が混じった状態を指します。目で見て尿が赤く見える「肉眼的血尿」と、見た目は普通でも顕微鏡や検査で赤血球が確認される「顕微鏡的血尿」に分けられます。
血尿は必ずしも重大な病気とは限りませんが、泌尿器系(腎臓・尿管・膀胱・尿道)の病気のサインであることも多く、安易に放置すべきではありません。
特に血尿とともに痛みや発熱、排尿困難などを伴う場合は、原因精査と早期治療が必要です。
よくある原因疾患
膀胱炎・尿道炎(感染症)
女性に多くみられる原因です。
排尿時の痛み、頻尿、尿の濁り、残尿感などを伴い、尿の通り道に炎症が起こることで出血します。
細菌感染が主な原因です。
尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石)
尿の通り道に石ができると、強い側腹部痛や血尿、吐き気、頻尿などを伴うことがあります。
動いたり水分を取った後に症状が悪化することがあります。
腎炎(急性糸球体腎炎、IgA腎症など)
腎臓のろ過機能に関わる糸球体が炎症を起こす病気です。
むくみ、尿の泡立ち、高血圧、蛋白尿、血尿がみられ、慢性腎臓病へ移行することもあります。
当院では慢性腎臓病(CKD)や高血圧性腎硬化症、糖尿病性腎症の診療を行っています。
膀胱がん・腎がん・尿管がんなどの泌尿器がん
痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)として見つかることがあり、特に50歳以上の男性や喫煙歴のある方では注意が必要です。
画像検査や尿細胞診などによる精査が必要です。
前立腺肥大症・前立腺炎(男性)
中高年男性に多く、排尿困難、頻尿、残尿感、血尿などを引き起こすことがあります。
急性前立腺炎では発熱や会陰部の痛みも伴います。
外傷や激しい運動後
マラソンや激しい運動、事故による打撲などで、一時的に血尿が出ることがあります。
運動後の回復とともに自然に消失することが多いですが、念のため検査を行うことをお勧めします。
診断の進め方
血尿の診断では、開始時期、色調(赤・茶・黒)、血の混ざり方、排尿時痛、頻尿、残尿感、発熱、腹痛、背部痛、吐き気などの全身症状、結石・腎炎・がんの既往、喫煙歴、薬剤使用歴を確認します。
身体診察では腹部・背部の圧痛、むくみ、発熱、血圧、会陰部・外陰部の視診(男性では前立腺評価)を行います。
当院では尿検査(尿潜血、赤血球、白血球、蛋白)、尿沈渣・顕微鏡検査(変形赤血球、円柱)、尿培養、血液検査(腎機能、炎症反応、貧血、電解質)、腹部・腎臓・膀胱エコー、腹部・骨盤CTを行い、炎症、結石、腫瘍などを評価します。
一方、尿細胞診・膀胱鏡検査、腎生検、MRIなどの精密検査が必要な場合は、地域の基幹病院へ紹介します。
緊急性の判断と対応
以下のような場合は、尿路結石、腎盂腎炎、泌尿器出血、膀胱がんなど命に関わる疾患の可能性があり、ただちに地域の基幹病院への受診することをお勧めします。
- 強い腹痛や側腹部痛、吐き気、嘔吐を伴う血尿
- 発熱を伴う血尿(腎盂腎炎の可能性)
- 尿が真っ赤で止まらない・血の塊が出る
- 全身状態の悪化(意識低下、ショックなど)
血尿は、一時的な炎症や運動によることもありますが、腎臓や尿路の重大な病気のサインであることもあります。
症状が重い場合は直ちに地域の基幹病院へ受診することをお勧めしますが、そこまで重くない場合や、検診で尿潜血を指摘された場合などは当院でも診療可能です。
当院では、尿検査、血液検査、エコー、CTなどを組み合わせて原因を的確に診断し、必要に応じて専門医療機関と連携して治療を行っています。
「血尿が出た」「尿検査で異常を指摘された」など、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
